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REMAINS 残骸 (初演) 作/加藤 源広  演出/給食委員会

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チラシ表(68.7KB)


チラシ裏(91.7KB)


パンフ表(47.9KB)

パンフ内側(69.5KB)


■公演名
岩手大学劇団かっぱプロデュース
悪の秘密結社『風紀委員会』旗揚公演
remains 残骸

■日時
1991年4月20日(土) 開場18:30 開演17:00
       21日(日)   14:30   15:00

■会場
盛岡中三デパート7階 AUNホール

■料金
一般前売 600円 当日800円
高校生以下500円

■キャスト
山下/狩野 亨
川上/松浦 武彦
田中/徳田 憲亮
百合姫/一幡 亜希子

■スタッフ
照明/原田 法胤
音響/渡辺 裕子
衣装/浅沼 壮子
情宣/徳田 憲亮


《チラシ裏記載文章(イメージは左記をクリックしてご覧下さい)》

風紀委員会のこと
8月某日午前2時42分、我がM日報社会部悪の秘密結社課のデスクは重い空気に包まれていた。もう、勤務時間はとうにの昔に過ぎているのだが、誰も帰ろうとはしない。実は今日の朝、上部の決断により悪の秘密結社課は廃止するとの報告がもたらされたのである。確かに最近の悪の秘密結社事情は芳しくなく著しい低迷状態にあった。新しい団体ができたとしても、実際は変な宗教団体の子団体であることが多く、本当の意味での悪の秘密結社はここ数年結成されていない。その上、現在ある悪の秘密結社も人手不足や、ジャパンバッシングなどの影響で多くが経営困難に陥っている。事実、今日も老舗の悪の秘密結社『ドボチョン一家』が解散した。上部の決断は当然のことだと判っていながら心の中に冬の日本海のようなくらいわだかまりがある。長年暖めてきたデスクを離れるのは辛い。ここに残っている皆がそう思っているはずだった。沈黙の中に時計の音だけが響き渡る。突然W女史のお腹が鳴った。我々は一斉に顔を上げたが、笑うタイミングを逃してしまったのか、そういう気分になれなかったのか、再びうつむき沈黙を守っていた。さっきよりも時計の音がはっきりと聞こえる。頭の中に差し込んでくるようだった。そのとき、張りつめた沈黙を錆びた鉞で切り潰すように電話のベルが鳴り響いた。
「我々は悪の秘密結社『風紀委員会』である。」
それが彼らが世界に発した初めての声明であった。その後、「我々の目的は世界征服であり、我々は『世界征服は地方から』」を合言葉にまず盛岡を征服し、世界全土を征服した暁にはその中心を盛岡にする」と言い放った。デスクに異様な熱気が漲り始める。世界征服を堂々と掲げた団体は久しぶりだ。新人のB君は初めての出来事に顔を赤く上気させている。課長からの檄が飛んだ、「何ぐずぐずしてるんだ、さっきとこの団体について調べて記事にするんだ、最後の大仕事だぞ!」全員がそれぞれのバックを持って駆け出した。午前3時である。そんな時間に何処へ行っても取材なんかできるわけがない。それでも皆が駆け出して行ったのである。駆け出さないわけにはいかなかったのである。私が振り返った時課長は目を真っ赤にしながら頷いた。私は力強く頷き返し会社を出た。きっと私の目も真っ赤だったはずである。その後の調べで恐ろしいことが分かった。悪の秘密結社「風紀委員会」は武力よりも演技を得意とする集団でそれにより世界征服をしようと考えているらしいとのこと。これは一種の洗脳の手段であり、いきなりkのようなアプローチをする集団は珍しいこと。そして彼らの前身は某劇団Kであり、そこで一時代を築いた面々で盛岡で演劇を観る人なら少なからず目にしている人物であること。そして何よりも恐ろしいのは彼等の存在をCIAもKGBも知らなかったことである。ここまで徹底して秘密主義であった集団はかつてなく、他劇団の公演にビラを出すというオープンな集団もかつてなかった。「風紀委員会」は4月20、21日中三AUNホールに於いて旗揚げ公演を行うそうである。これは是非観に行かなければ。ちなみにこの情報を伝えたF記者はこの連絡を最後に消息を絶った。どうやら「風紀委員会」の旗揚げ公演に出演するらしい。恐ろしいことだ。

M日報社会部悪の秘密結社課 K記者著


《パンフレット記載文章(イメージは左記をクリックしてご覧下さい)》

作者の言葉
先日、僕は引越をしました。極く近所への引っ越しだったので3日の日数をかけてゆっくりと引越ました。引越の2日目、あらかたものを運び出した後の部屋でひとり夜を過ごしました。そのとき、3年の間暮らしてきた部屋が全く違う部屋のように想え、ただ「物」が、本棚や、机がなくなっただけで独り暮らしを始めてから一度も味わったことのない寂しさを味わいました。どうやら僕は知らず知らずのうちに本棚や机のことを信用していたらしいのです。その存在感に安らぎの一かけを預けていたらしいのです。彼らのいなくなった部屋はひどく殺風景で、日の当たらなかった畳の青さが部屋の気温を2度ほど低くしていました。
そして気付きました。「物」はあるだけで少し僕を幸せにしてくれていたようです。あったはずのものがなくなるということはそれ以上に僕を寂しくするようです。それは豊かさとか愛着とは違う「物」とのかかわり方で、存在イコール安心という式が成り立ってしまう、親子や恋人同士のような関係でした。自分が知っている物の中にいるということはそれだけで十分安らぎであることを知りました。そんなことを考えながら布団に仰向けになると、いつも見なれた天井の模様がゆっくりとまぶたに重みをかけてきました。


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